薬剤誘発性QT延長リスクの評価

概要

創薬開発において、副作用などの安全性試験は候補化合物を絞り込んだ最後に実施されています。開発者側としては創薬スクリーニングの早い段階で簡易に安全性をパラレルテストできることは大きなメリットですが、スループットとコストの面で適切な方法がありませんでした。

下記に紹介する検出システムは、培養細胞を用いてルシフェラーゼ検出するHTS仕様の画期的な測定システムです。

基本的な操作 (各社試薬キットのプロトコールに従う)

  1. QT延長に関わる膜輸送物質 (h GERなど)にルシフェラーゼ Tag (大きくて移送されないタイプは断片を)を発現融合させる
  2. 膜輸送物質の輸送阻害となる物質を添加し試験物質を培養細胞に与える
  3. 培地置換し、❷の試験物資を除去する
  4. ❸の培地置換を0分と考え、膜輸送が再開されるまでの輸送再開時間や輸送量をルシフェラーゼTag (大きくて断片を融合した場合は、残りの断片を加え会合再生する) により測定する。測定は発光試薬を添加し、ルミノメーターで測定する
  5. 試験物質無添加の結果と試験区を比較し、輸送再開時間の遅延や輸送量が減少、もしくは恒常的輸送量に達するのに時間を要した場合は、QT延長リスクがあると推察できる

推奨製品

試薬:各社キット
装置:マイクロプレートルミノメーター (Berthold Technologies製)

この実験系には下記の装置が最適です!